動物別症例集
犬の潜在精巣
After
左側の精巣は正常に陰嚢内にありますが、右側の精巣が外から確認できないため、腹腔内にあることが予想されます。
犬の精巣は、出生時には腹腔内にありますが、生後30日ほどで陰嚢内に下降してきます。
潜在精巣とは別名陰睾(いんこう)ともいい、精巣が片側または両側とも陰嚢内に下降せず、腹腔内または鼠径部に停留することをいいます。遺伝するため、繁殖に用いないことが重要です。
また、潜在精巣は正常な精巣と比べ約13倍も腫瘍化しやすいというデータがあります。精巣の腫瘍は悪性のものも報告されています。
精巣が腹腔内にある場合は開腹手術になってしまいますが、腫瘍化しないうちに早めの去勢手術をおすすめします。
当院では生後半年頃での去勢手術を推奨しています。ワクチン接種とあわせてご相談ください。