動物別症例集
コクシジウムのフトアゴヒゲトカゲ
コクシジウムのフトアゴヒゲトカゲ
健康診断で来院されたフトアゴヒゲトカゲさんの便検査で
比較的良く出会う寄生虫がコクシジウムです。
特に症状もない状態で偶発的に見つかることもありますが、
症状として、元気食欲が減ったり、吐いたり、体重が減ったりすることもあります。
治療には飲み薬を院内で飲ませたり、お家で頑張ってもらったりします。
早めに発見できれば、無症状で予防することもできるので、爬虫類の飼育始め(特にワイルド個体)には便検査をオススメします。
陰茎脱のリクガメ
陰茎脱のリクガメ
リクガメさんの陰茎が出たままになってしまう病気です。
繁殖期に陰茎を傷つけてしまったり、その他の要因があったりで起こるのですが、
根本的な原因の精査とともに出ているのが本当に陰茎なのか?
調べたうえでやはり戻らなければ外科的に切り取ることも検討しなければならない状態です。
放置することで、壊死していく可能性もあるため、
長期的に出っぱなしになるようであれば、動物病院に相談いただければ幸いです。
リクガメの嘴過長
リクガメさんの嘴過長
リクガメさん達は、僕らで言う歯の代わりに「嘴」を持っており、
ご飯を食べるときに大事な役割を担っています。
ですが、
この嘴は爪や皮膚となど同じように常に新しい組織が作られており、
かみ合わせが悪かったり、病気だったりすると
伸びすぎる = 過長する ことがあります。
嘴過長になる原因として、
ご飯の中の蛋白質が多すぎたり、繊維質が足りなかったり、ビタミンAが足りなかったり、代謝性骨疾患だったり、
肝臓の病気、栄養失調、怪我、口内炎などなどが考えられます。
多少の嘴過長であれば、特に問題なく過ごしている子もいますが、
伸びすぎることで、ご飯が食べられなくなったり、顎に挟まって苦しそうになったり
命にかかわる可能性もあります。
治療としては、
まずは嘴を切って元の形に戻してあげて、
根本的な原因をハッキリとさせた上でそちらの治療も行います。
飼育面が良く分かっておらずこのような病気になってしまう子もいるため、
もし飼育に関して不安がある方でも相談に乗らせていただきます。
嘴過長を放置せず、伸びてくるようであるならば病院へ診せてあげてください。
カメの卵胞うっ滞
カメなどの爬虫類の卵巣では、卵胞という卵のもととなるものが常に作られ、通常はそのまま退縮したり卵となって排出されます。
そのサイクルが何らかの原因で崩れてしまうと、卵胞が卵巣や卵管に大量にうっ滞した状態になります。
卵胞がうっ滞してしまうと、他の内臓が押されてしまい元気や食欲の低下、直腸脱や卵管脱などの症状を引き起こしてしまいます。
卵胞は殻が作られる前の卵であるため、特に甲羅をもつカメの場合、レントゲンで確認できないことも多く、診断には腹部のエコー検査が用いられます。
治療法は、甲羅を開いて卵胞を含めた卵巣・卵管摘出手術が推奨されています。
また、手術が難しいような症例の場合はホルモン製剤を用いた内科療法も試されています。(爬虫類の卵胞鬱滞におけるリュープリン治療の可能性)
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