動物別症例集
ツノガエルの感染性皮膚疾患
外傷、不衛生な環境、不適切な飼育、ストレス等が重なり、免疫力が低下することにより発生します。
発症当初は軽症でも、放置してしまうと、全身に紅斑や潰瘍、炎症が進行し、皮膚呼吸や浸透圧の調節が困難になり短期間のうちに、皮膚体腔膜穿孔が見られたり、敗血症を起こし命を落とすこともあります。
治療として、清潔で適した環境管理、消毒、抗生剤や抗真菌薬の投与や薬浴、穿孔が重度の場合は縫合も行いますが、全身状態が悪化した個体におきましては予後が悪いといわれております。
発症しないためにも、清潔で適した温度、湿度の環境管理、外傷の起きにくいレイアウトにすることや、過密飼育や過度なハンドリングを避けるなど、ストレスを最小限にすることを意識し、軽症でも迅速な環境改善や、早期治療を行うことによって悪化を防ぐことが重要となります。
爬虫類両生類の代謝性骨疾患(MBD)
概要
主に爬虫類や両生類にみられる病気で、偏食のフクロモモンガでみられることもあります。
くる病や骨軟化症という骨疾患を引き起こすこともあります。
原因
低カルシウム血症が原因とされ、栄養不均衡(低カルシウム、高リン、ビタミンD不足)や、紫外線が必要な種では照射不足により起こります。
症状
成長不良や食欲不振、骨の菲薄化などが主な症状です。重度になるとけいれんを起こしたり、骨格が変形したりします。カメの場合は甲羅の変形やクチバシの過長がみられます。
治療
まずは飼育環境の見直しが必要で、症状に応じてカルシウムの注射や内服薬が必要な場合があります。
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