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ブログ 2016年10月

5つの自由 Five Freedomes

少し前の話になりますが、動物取扱責任者研修に行って参りました。ペットホテルや動物の販売などを業務とする施設の管理者が、必ず受けなければならない研修です。
その研修の講義の中で、【5つの自由(解放)】という話が出てきました。

【5つの自由(解放)】とは、1960年代に家畜福祉向上の基本として定められた基本方針であり、50年も前のものですが、今でも世界獣医協会の基本方針に取り入れられている考え方です。
動物愛護のみでなく、病気の予防や、問題行動の解明・治療にも大きく関わっている内容となっています。

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具体的に、【5つの自由(解放)】とは…

1. 飢えと渇きからの解放。     (正しい食事管理と、新鮮な水の保障)
2. 不快からの解放。         (清潔で心地よい住環境の保障)
3. 痛み、怪我、病気からの解放。 (疾病予防、早期発見、治療の機会の保障)
4. 恐怖と絶望からの解放。     (恐怖や精神的苦痛を与えられない保証)
5. 正常な行動を示す自由。     (その動物種がもつ生来的行動をとることの保障)

当たり前だと思われる方も多いかもしれませんが、実際にこれらが満たされてないがために生じている問題も、決して少なくありません。
特に5の「正常な行動を示す自由」というのは、意外と盲点になりがちのように思います。

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「環境エンリッチメント」という言葉がありますが、動物は特定の環境に合わせて進化したり、またある目的に特化するように品種改良されてきています。なので、その目的を満たしてあげること、適度な刺激を日常の中で与えることで、ストレス解消になったり、より生き生きと生活することができます。
北海道の旭山動物園がいち早く行動展示を取り入れて有名になりました。この行動展示も、その動物がもつ正常な行動を生かすという「環境エンリッチメント」の原則に基づいているのです。

逆にこの正常な行動が出来ない状態が続くと、肉体的にも精神的にもストレスがたまり、病気や問題行動の原因となったりします。実際、動物の問題行動の原因の多くが、この部分にあるとも言われています。

犬とボール遊びをしたり、宝探しゲームをさせるのも一つのエンリッチメントです。猫であれば、キャットタワーやキャットウォークを設置して上下運動ができるようにする。穴を掘る動物はトンネルやシェルターを設置する。樹上生活の小動物はなるべくケージに高さを持たせる。などなど。

動物本来の姿を垣間見ることは、人間側から見ても面白いし、わくわくしますよね。
すべてを野生下の環境に合わせるのは難しいと思います。しかし、こうした気遣いの一つ一つが結果的に病気の予防につながるだけでなく、人と動物の絆を作っていくものだと思うのです。

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